#

#

医療法人 山仁会 理事長
山口 政仁

 医療法人山仁会は、整形外科の有床診療所を母体として、1995年(平成7年)に老人保健施設「なでしこ園」を開設、その後、通所介護施設、認知症入所施設2単位を併設しました。 開設以来、老健施設としての役割をいろいろと模索し乍ら今日に至っています。 草創期からの基本理念のひとつとして、リハビリのあと在宅復帰させるという目標があります。 その他、通所リハビリ、短期入所、等にて在宅で生活を支えるという事もそのひとつです。


 1990年代より普及しはじめた中間施設としての役割には、その地域の状況やその施設の特性や能力によって大きく異なっています。 高齢化が進んでこの地域においても、老々介護や孤独老人が段々と多くなっています。当施設は従前より、入所される方の順位を、より重症で緊急と要する方を優先して来ました。 結果として、要介護4、5が中心となり、胃瘻の方も10数人に及んでいます。 こちらの方も制限措置をとらないと限りなくふえそうです。 いきおい、入所者の高齢化と重症化、一方の老健施設が理念としてかかげている在宅復帰という目標のはざまで、職員一同悩みながら地域の人が一番助かると思われる方法を採ってきました。


#

 さて、平成26年度医療改正において地域包括ケアシステムの名のもとに、急性期、慢性期の全医療機関が一定の在宅復帰率を求められる事になりました。 同じように、来年度の介護保険施設も一定の在宅復帰率が課されるはずです。 この厚労省の方向性は理にかなっています。 それはよしとして、当施設では、重症緊急を要する人を後まわしにしてまで、要介護1、2のより軽症者を入所させて在宅復帰率を稼ぐのか、という問題が出て来ます。 在宅復帰を可能にするには、まず受け手である家族の条件や、その地域に訪問介護、訪問看護等の在宅サービスが充実しているか等も重要な点です。


#

 先に述べたように老健の役割分担として、ショートステイなどをレスパイト(家族を解放してあげる)として多用する類型、短期集中リハをして在宅復帰する類型、社会的入所の類型、胃瘻や癌末期の介護に重点をおいた類型などに特化したり、それらの役割を合わせもったりして、その地域のニーズに対応する事が最もその地域に貢献することになると思います。 仮にも、巷間に聞かれるように、病院、その併設の老健やサ高住、住宅型老人ホームなどを定期的に移動させて在宅復帰率を稼ぐ、というような考えや施策には決して賛成できません。 利用者とその家族が一番望む事がその幸せにつながると信じています。 時代も変遷し住民のニーズも地域の条件も変ります。 その中で利用者や家族が一番助かる事に応えていくように、山仁会の全職種の職員一同で研鑽を積んで、地域の信頼を得たいと思っています。以上ご挨拶に代えます。

医療法人 山仁会 理事長
山口 政仁